三ケ根クリニック竣工写真
愛知県額田郡幸田町の「三ケ根クリニック」が竣工し、竣工写真があがってきましたのでアップします。
建物のコンセプト
30mのキャノピーを設置
配置計画で敷地の高低差や駐車場配置を加味し、道路入口から18m入ったところにクリニック本体を配置しました。
建設地は幹線道路沿いにあり比較的見通しがきくものの、建物背面に工場があり、前には薬局が建つため、幹線道路からクリニックが見えにくい点が懸念事項でしたが、全長30mのキャノピーを建物のシンボルとして設置することで解決しました。
仕上げはコンクリート打放し。無骨でありながらシャープでシンボリックなものをめざしました。
現場監督さんの細かな管理と「いいものを作ろうとする気合」、鉄筋職人さん、型枠職人さん、コンクリート職人さんの技術でほぼ補修することなく、「打ちっぱなし」ではない「コンクリート打放し」ができました。
施工者の方々には感謝しかありません。
ブロックの組み合わせ
クリニック本体を平屋部分と2階建て部分を2つのブロックに分け、30mのキャノピーも1つのブロックとしてとらえ、3つのブロックの重なりを各方向から模型などで確認してその大きさ、ずれる寸法、高さを決めました。
単色でのブロック構成によりスッキリした重なり具合となっています。
シンプルなデザイン
施主である先生はミッドセンチュリーの建物や家具などがお好きなので、内装、外装ともにシンプルなデザインに努めました。
建物の外装要素としては「コンクリート打放し」「塗り壁の外壁」「カーテンウォール」などを面でとらえ、余分な開口部は排除しています。(昨今の異常気象に対しても開口部を少なくする事はLCC的にも有効。どこかの住宅CMとは意見が違いますが…)
先生からの1本の電話から始まった今回のクリニック設計。
建築にも造詣の高い先生とのやりとりはとても刺激的で楽しく行うことができ、本当によい経験ができました。
建築物価高騰の中、よりよい計画とデザインで「価値のある建物」を設計できる能力がより求められてきていると感じています。
日々の努力だけでなく、多角的にものごとを観察することで「デザインの種」を自分の中に蒔いていこうと思います。