改修による高度医療設備導入

高度医療設備導入のための「改修」

医療技術は日々進化しており、それに伴い高度医療設備の導入がますます不可欠となっています。

しかし、最近の建築コスト高騰を背景に、医療施設の増築は難しくなっているのが現実です。

そんな中、既存の建物を「改修」することも一つの解決策だと考えます。

弊社では、既存建物の「改修」により、高度医療設備を導入する設計を手掛けた実績があります。

医療施設における「改修工事」の設計において最も重要なのは、既存建物の正確な把握です。

工事中も工事部分以外は医療機能が継続しているため、既存の影響を最小限に抑えつつ、改修部分が最良の形になるよう、常に工夫しながら設計を進めていきます。

実際の施工事例

直近では、浜松労災病院の「ハイブリッド手術室改修工事」に携わらせていただきました。

既存の手術室1室と診材室などを、ハイブリッド手術室と操作室へ改修しました。

既存建物は他社の設計だったので、既存設計図から詳細図面を起こし、現地調査をして既存をしっかりと把握することからスタートし、「最低限の改修」で「最も効率的」な改修案を模索しました。

また、少し前には聖隷三方原病院において、既存の手術室2室をハイブリッド手術室と操作室に改修する設計を行いました。

ハイブリッド手術室への改修工事に際しては、既存手術室2室が一時使用できなくなるため、工事の第一段階として、隣接する機材庫と中央材料室を圧縮し、その空間に新たに手術室2室を先行設置しました。

その後、ハイブリッド手術室への改修を進め、最終的には手術室が1室増加しました。

機材庫、中央材料室の既存備品を病院さんとリストアップし、「使っているもの」「使っていないもの」を整理整頓し、限られた空間の中に改修における「種地」を作り出しました。

聖隷浜松病院では増築工事の途中で「ハイブリッド手術室導入」の決定があり、急遽現場で設計変更を行い、構造補強工事などを経て無事に完成しました。

また、同病院では、既存の放射線治療室に「サイバーナイフ」を導入する工事も設計しました。

これは国内初の「改修」による「サイバーナイフ」の設置となりました。

放射線治療メーカーのモンテカルロ法による放射線量計算に応じた放射線防護の追加を行いました。

限られた空間の中での放射線防護と患者様が安心できる空間の両立が出来たと思います。

医療機器メーカーとの協働

高度医療設備を導入する際には、医療機器メーカーとの密な協働が必要です。

ここで重要なのは、病院関係者の「こんな形にしたい」という希望と、メーカー側の「これだけのスペース、この設備が必要」という要求を調整し、最適なプランに落とし込むことです。

打合せの際には、既存平面図に赤ペンでスケッチを描きながら、目の前でいくつかのプランを提案することもあります。

こうしたアナログな方法が、より具体的なイメージを共有しやすく、最終的なプランに反映されていきます。

その他の特殊な医療施設

聖隷浜松病院「PETセンター」

聖隷三方原病院「ドクターヘリ格納庫」

両病院とも場外離着陸場として建物屋上にドクターヘリポートを設けています。

聖隷三方原病院の屋上ヘリポート用給油施設の設計と行政許可は国内初です。

※設計は弊社が先行していましたが、完成は技術提供した他の病院さんに抜かれてしまいました。

実績

弊社では高度医療設備の導入以外にも、医療福祉施設のさまざまなケースの改修工事を手掛けております。

施設改修に関してお困り事があれば、お気軽にご連絡ください。どんな課題でも一緒に解決策を見つけてまいります。

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