地盤調査と土地決定
現在、愛知県東部にてクリニックを建築しています。
2022年の夏頃、以前改修工事のお手伝いをさせていただいた先生よりクリニック改築のご相談がありました。
まずは現在のクリニック敷地内での建替え検討を行いましたが、先生の希望する形にはなりそうもなかったので、近くの土地への移転に方向転換しました。
今回、移転地決定プロセスに、「地盤調査(ボーリング調査)」を事前に取り込みました。
それというのも、建設地域全体が比較的地盤が悪く、最初の候補地で地盤調査をしたところ、造成工事において杭が必要となり、その工事だけで建物と同じくらいの費用がかかることが判明したからです。そこで、別の候補地を探すことになりました。
今年の初めの能登震災でも地盤の悪さが建物倒壊の一因となりました。建築コストをコントロールするためにも、建設地決定のプロセスには「地盤調査(ボーリング調査)」が重要と考えます。
いくつかの候補地を経て、2022年初めに、比較的地盤がよく、幹線道路に隣接した土地が見つかったので、その土地への移転が決定し、本格的な設計業務を開始しました。
配置計画では敷地の高低差や駐車場配置を加味し、道路入口から18mほど入ったところにクリニックを配置しました。
建設地は比較的見通しが効くものの、建物背面に工場があり、前には薬局が建つため、幹線道路からクリニックが見えにくい点が懸念事項のひとつでした。
検討の末、全長30mのキャノピーを建物のシンボルとして設置することで見え方を解決し、 お施主様にも気に入っていただけました。
施主である先生はミッドセンチュリーが好きで、院長室には多くのデザイナーチェアと建築家の写真集を所有されています。デザインに非常に興味がある方なので、設計側の提案にも興味を示していただき、設計打ち合わせ時は楽しい時間を過ごさせていただきました。(プレッシャーも大きいですが…)
先生のセンスにあった内外装の提案等、まだまだ楽しみは続きます。
2024年夏頃の竣工まで楽しみながら、よい建物ができるよう努力してまいります。