地域密着型介護老人福祉施設 いしはらの里
- 建築主:社会福祉法人 たんぽぽ会
- 建築用途:地域密着型介護老人福祉施設
- 構造規模:RC造
- 延床面積:1,956u
- 計画地:静岡県浜松市
- 竣工年月:2011年6月
概 要
- 設計コンセプト
- △ 地域密着型介護老人福祉施設 いしはらの里
- △ エコ屋根
- △ 玄関ホールにはモニターがあって、左は発電のデータ、右は熱利用のデータを時刻と表示します。
- △床を暖めた空気の吹き出し口です。
- △冬、太陽熱で暖めた空気を床下に送るダクトです。
- 負荷を減らす
- △写真左端に見えるのが、OMの立ち上げダクトです。床面の温度が高く、換気量が多いので、自然で快適な室内環境です。
「自然を利用」して、できるだけエネルギーを自給しようと「エコ屋根」を載せています。「エコ屋根」は、太陽熱を利用して、冬は暖房、夏はお湯採りするOMソーラーと同時に、太陽光発電もしてしまうハイブリッドなユニークなエコ設備です。
住宅では例があっても施設規模で導入したのは日本で初めての試みです。「新エネルギー導入促進協議会」から、1/2の補助金をもらって設備しました。
この事業にあたっては、当初から理事長様の明確な意思がありました。「建物は、ご利用者へ良いサービスを提供できるようにするのはもちろんであるが、環境に配慮する責任がある。それは、時代や社会に求められている。」ということです。
「エコ屋根」のような設備には多額の設置費がかかります。今回は「社団法人新エネルギー導入促進協議会」という所から設備費の約半額を「地域新エネルギー等導入促進事業」という補助金としていただきます。施設設備に係る事務手続きのほかに「太陽光発電」と「太陽熱利用」それぞれの補助申請業務が重なり、事務当局は大変だったろうと想像します。環境対策は手間がかかり、光熱費の削減額で償却するのに年数がかかります。しかし、大震災をへてみますと、その意義の重要性を改めて感じ、事業主様の見識の高さに敬服するばかりです。
屋根の下方にある正方形のパネルが太陽光モジュール、全部で108枚、14KWの発電ができます。
そのすぐ下の屋根材とのすきまの空気を太陽熱で暖め、上方の細長いガラスでおおった集熱部で加温して、冬の暖房や夏のお湯採りに使います。
モニターで、運転状況を見せたり、データを報告する義務があります。
「環境への配慮」とは、エネルギーや資源について「負荷を減らす」ことや「自然を利用する」ことなどです。「負荷を減らす」為に、ペアガラスや断熱材で省エネを図り、循環型の資材である木材(フローリング)を化学物質でない自然塗料を塗って使っています。
フローリング、木の格子、障子といった天然素材で見慣れてきた建築ボキャブラリーが 「なじみ」「おちつき」「やすらぎ」 を生みます。